HOME > 佐同教とは > ごあいさつ

NEW

大野 敬一郎

佐賀県人権・同和教育研究協議会 会長

 佐同教は、1970年の佐賀県同和教育研究会結成総会以来、半世紀にわたって、同和問題の早期解決と県民一人ひとりの人権意識の高揚を図るため、人権・同和教育、啓発の推進に取り組んでまいりました。会員の皆様方には日頃より、差別の解消と一人ひとりの人権が尊重された社会の実現に向け、人権・同和教育の実践・研究、そして啓発にご尽力いただいておりますことに対しまして心から深く敬意を表します。

 さて、佐同教は結成から半世紀を迎えました。その間、「差別の現実に深く学ぶ」という言葉をキーワードに、そして、「誰もが生まれてきてよかったと思える社会の実現」をメインテーマに掲げ、社会教育と学校教育が一体となって差別解消に向けて啓発・教育に取り組んできました。しかしながら、私たちの周りには未だに人間の尊厳に関わるさまざまな人権問題が存在しています。インターネット上には個人情報が晒され続けている状況があります。そして、部落地名総鑑の復刻版がネットのフリーマーケットに佐賀県内から出品され、販売されていることが判明しました。さらに、県内において、同和地区に関する問い合わせ事案や学校での児童生徒による賤称語を不適切に発言するなどの差別事象が発生しています。佐同教では、今年度も差別事象の課題克服を最優先課題と位置づけ、これまでの成果や新たな課題を踏まえながら解決に向けての研究と実践に取り組んでいきます。また、2016年に施行された「部落差別解消推進法」の周知徹底と具現化をふまえて、社会教育と学校教育の両面から、人権・同和教育・啓発の推進を一層推し進めていかなければならないと考えています。

 一人一人がそれぞれの立場で、自分たちに今できることを行動に移していくことが、人権が確立された豊かな社会の実現に向けての大きな一歩になるのではないかと期待しております。最後になりましたが、会員の皆さまのさらなるご健勝とご活躍、そして、県内各地の人権・同和教育・啓発の取り組みが今後さらに充実、発展していきますよう、皆さまのご協力をお願い申し上げましてご挨拶とさせていただきます。